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  • 放射状のブリーズ・ソレイユがつくる動的な家

  • "ブリーズ・ソレイユ"とはル・コルビュジエが多用した建築化された日除けである。強い日差しを遮る遮蔽面としての機能と同時に視線や空気などによる屋外環境とのつながりは維持されている。外部環境との関係においてブリーズ・ソレイユは、遮断と同時に新たな接続を生み出しているのではないか。

    2階レベルにおいて西側に抜けを持つこの敷地の外部環境から、生活空間を2階にまとめ西側に大きく開かれた計画とした。西日とプライバシーを適度に遮断しつつ、このパノラマな眺望と共生するための骨格として遮光壁を放射状に並べた。この放射状のブリーズ・ソレイユは西日を完全には遮蔽しない。一定の西日の侵入は許容しながら、西側に広がるワイドな風景を室内に取り込む。放射状に並べられた面により時間とともに入射する光はゆっくりと動き室内環境が変わっていく。また生活する住民の動きに合わせて風景が動的な変化を伴って切り取られる。外から内への変化 ( 光と視線の許容と遮断 ) と内から外への変化 ( 視線の抜け、フレーミングとパノラマの変化 ) が組み合わさることで、外部環境と伸縮しながら動的に接触する空間が生まれた。

    ル・コルビュジエがインドで作った強烈な日差しに対抗するための強力で命がけのブリーズ・ソレイユとは異なり、隙のあるこの放射状のブリーズ・ソレイユは、住人の暮らしに優しく付き添いながらゆっくりと時を刻んでいる。

    鈴木竜太/サンゴデザイン

アプローチの角度によって外部からの日射と視線の室内へ入り込む深度が変わる
2階LDK:放射状のブリーズ・ソレイユにより室内は開放的でありながら、視点の位置により視線の抜けは限定される。この平行でな い遮蔽面により室内での動きに合わせて外部との関係が伸縮する。鋭い直線的な西日を白いブリーズ・ソレイユで一度受け ることで、拡散された光に変えて取り込み、室内に快適な明るさを実現した。
ダイニングスペース
主寝室:視線を遮断する壁に反射して拡散光が室内を明るくする。
リビングスペース
主寝室
外観:崖に対峙するコンクリート壁から持ち上げられた木造の2階ボリューム。
外部アプローチ
外部アプローチ
西側外観
用途 専用住宅
所在地 神奈川県横浜市
主体構造 木造
敷地面積 99.19㎡
建築面積 53.67㎡
延床面積 86.09㎡
設計期間 2016.05-
施工期間 2018.04-2019.03
構造設計 桑子亮/桑子建築設計事務所
施工会社 イケダ工務店
写真 淺川敏/ZOOM(※のみSangoDesign)
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