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  • 碑の共生ハウス

    - 地域の中の放課後等デイサービス -

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    - 地域の中の放課後等デイサービス -

    どんな子どもからお年寄りまでみんなの居場所(家)となるような、地域と共に成長する複合型の放課後デイサービスである。「放課後等デイサービス」とは、障害のある子どもたちが学校の放課後や、長期休暇中に通うことのできる児童福祉サービス施設であり、障害児のための学童保育とも呼ばれる。障害のある子どもたちにとって学校でも家庭でもない“第三の居場所“として、発達の土台を広げ成長する上でとても大切で重要な施設である。しかし、このような施設は近隣の地域住民から嫌われることが多く、迷惑施設として嫌がらせを受けることもある。そのため一般的には極力外部に対して閉じた内向的な空間になってしまう。外部(地域)の人々との接点を無くし、そっと静かに孤立的な活動に限られてしまう。このようなネガティブな要素を極力減らし、地域に開かれたオープンな施設で子どもたちと一緒に伸び伸びと生活したいという館長の願いから、このプロジェクトは始まった。地域の一員としての新しい放課後デイサービスのあり方、新しい形を模索した。

それを実現するために、この建築で行ったアイデア(工夫)  
1、地域に役立つ機能を内部につくり、地域の人と空間・時間を共有する。
2、開放的で明るいオープンな建築とし、また外部空間を積極的に利用し閉じこもらない。
3、大きな空間と小さな居場所を組み合わせた多彩な空間構成とする。
4、吹抜けをつくり、音・声や視線が繋がるつくり。元気に活動できる開放的な空間。
5、子どもたちにとって第2のあたたかい家と感じられるような形とする。
1、地域に役立つ機能を内部につくり、地域の人と空間・時間を共有する
この施設では放課後デイサービス機能と共に、内部に地域に役立つ機能(貸しスペース)を計画した。地域の人々がこの機能を利用することで積極的に建物内に入ってくる。それにより子どもたちと地域の人々がより近い関係で接することができる。また迷惑施設と思われていた施設が地域の役に立つ機能を持つことで、その地域の一員になれると考えた。 この地域の住民でもある館長が長年のリサーチの結果、さまざまなことに使える自由な貸しスペースが足りないと考えた。
2、開放的で明るいオープンな建築とし、また外部空間を積極的に利用し、閉じこもらない
一般的な放課後デイサービスは、外部に対して閉じていることが多く、子供たちの活動はほぼ室内 に限られている。この計画では「開かれた庭」を配置し子供たちの活動を積極的に外部にまで 広げると共に、そこで地域の人たちの交流も促す。様々な季節ごとのイベントもこの開かれた 庭で行い、地域に対して子どもたちの活動をオープンにする。
3、大きな空間と小さな居場所を組み合わせた多彩な空間構成とする  
指導訓練室(子どもたちの活動空間)はシンプルな一室空間とすることが一般的である。この計画では 構造体を兼ねた壁柱により「アルコーブ」をつくり、子供たちが落ち着けるスケールの小さな居場所 をつくった。大きな空間と小さくニッチな居場所を共存させることで、子供たちにとって豊かで居心地のよい空間となる。
4、吹抜けをつくり、音・声や視線が繋がるつくり。元気に活動できる開放的な空間
活発な子供たちの声はこの建物全体に響き渡る。一般的にはこの音がつながらないように計画するが、ここでは「吹抜け」をつくり積極的に空間を繋げた。それは見守る大人たちと子どもたちの距離を縮めるとともに、開放的な空間で子どもたちが伸び伸びと元気に活動できることを考慮している。
天井の高い遊戯室
落ち着いた多目的室
遊戯室
廊下
遊戯室
吹き抜けで遊戯室と繋がる事務室
事務室
地域に役立つ貸しスペース
貸しスペース
大きな大黒柱のある遊戯室
外観
オープンな畑のある庭
用途 児童福祉施設+事務所
所在地 目黒区碑文谷
主体構造 木造
敷地面積 277.93m²
建築面積 161.57m²
延床面積 278.01m²
設計期間 2016.12-2017.11
施工期間 2017.11-2018.04
構造設計 桑子亮/桑子建築設計事務所
施工会社 住まいの友和
クライアント 株式会社ArtSpaceDragonFly
写真 淺川敏(※のみSangoDesign)
アワード KIDS DESIGN AWARD 2020
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