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  • 2013年1月15日

    PROJECTS-DIARY|平行四辺形の鮨店

    天井木ルーバー工事 -鮨M計画-

    msushi_tenjo01 客室内の天井に天然木ルーバーを設置します。設計意図としては、照明を極力隠したいという事とカウンタースペースの特別感・高揚感の演出です。この工事は図面上では簡単に描けるのですが、実際の工事では中々職人泣かせの作業でした。

    msushi_mokusenまず、割り振りを計算して初めの1本目を固定します。それを基準として他の木ルーバーをビスで順番に固定していきます。

    ビスで固定した後、ビス頭が見えなくなるように、同素材で作ったお手製の木栓を埋めます。そしてはみ出た木栓をノコギリで切って、その後にヤスリを掛けて完成です。

    この作業を約150箇所、上を向いて行います。見ているだけで首が痛くなる作業でした。。

    msushi_tenjo02

    大工さんが次々にビスで木ルーバーを固定していきますが、木栓作業は追いついて行きません。ひたすら地道な作業が続きます。

    msushi_tenjo03

    最後は職人さん、監督さん、救援部隊、総出の作業となりました。また木ルーバーの間に照明を埋め込むため、電気屋さんも同時作業になりました。

    msushi_tenjo04

    木栓が付いた写真です。努力の結果、(じっくり注意して見れば分かる所もありますが)、床から見ると全くわかりません。地味な作業でしたが、すばらしい仕上がりになりました。

    サンゴデザイン/鈴木竜太
  • 2013年1月10日

    PROJECTS-DIARY|平行四辺形の鮨店

    左官工事2 -鮨M計画-

    [:en]msushi_sakan4

    道路側の外壁も左官で仕上げます。下地は既存の壁を利用するため、モルタルを何重にも重ねて土台の下地ができました。この上に一度薄くコテ塗りして下地は完成です。

    msushi_sakan9
    仕上げの材料にはワラスサを入れます。ワラスサを入れすぎないように注意しながら骨材や塗料などの左官材と混ぜていきます。

    msushi_sakan7

    室内の左官壁よりも荒々しく仕上げるため、骨材の大きさを少し大きいものにして、コテの押さえも荒くしてもらいます。丁寧な荒い表現というのが、一番難しいそうです。。

    左官壁の場合、現場での調整で大きく雰囲気が変わってしまうとともに、事前のサンプル確認だけではわからない部分も多いので、作業日は必ず私たちが現場に来て確認しながらやってもらう必要があります。

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    小さな丸窓部分はエッジが立たないように丁寧に塗り回してもらいました。室内の千鳥の壁が少し見えます。

    サンゴデザイン/鈴木竜太

    [:ja]msushi_sakan4

    道路側の外壁も左官で仕上げます。下地は既存の壁を利用するため、モルタルを何重にも重ねて土台の下地ができました。この上に一度薄くコテ塗りして下地は完成です。

    msushi_sakan9
    仕上げの材料にはワラスサを入れます。ワラスサを入れすぎないように注意しながら骨材や塗料などの左官材と混ぜていきます。

    msushi_sakan7

    室内の左官壁よりも荒々しく仕上げるため、骨材の大きさを少し大きいものにして、コテの押さえも荒くしてもらいます。丁寧な荒い表現というのが、一番難しいそうです。。

    左官壁の場合、現場での調整で大きく雰囲気が変わってしまうとともに、事前のサンプル確認だけではわからない部分も多いので、作業日は必ず私たちが現場に来て確認しながらやってもらう必要があります。

    msushi_sakan8

    小さな丸窓部分はエッジが立たないように丁寧に塗り回してもらいました。室内の千鳥の壁が少し見えます。

    サンゴデザイン/鈴木竜太

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  • 2013年1月7日

    PROJECTS-DIARY|平行四辺形の鮨店

    内壁工事 -鮨M計画-

    msushi_sakan3

    内壁の左官壁が乾燥し完成しました。ワラスサの量も適量ですばらしく、クロス貼り仕上げとは異なる深みのある感じの高級感がでました。

    インテリアの内装設計の場合は特に、仕上げ方法や素材の一つ一つの選択がとても重要になってきます。このお鮨屋さんでは小さな空間に様々な種類の多くの素材を使いながら、色味やテイストを揃える事に苦心しました。

    msushi_wall1

    カウンター内の壁には「セン(栓)」という樹種の柾目の天然木化粧合板を千鳥貼りしました。目地幅は検討の結果4mmとしています。

    カウンター内の壁は施主である大将の背景となるとともに、お客さんが最も目にする壁でもあり、特に重要な壁です。

    柾目のラインを千鳥に配置することで壁に方向性が無くなり、一見派手な様で実は落ち着いた壁になったと思います。

    サンゴデザイン/鈴木竜太
  • 2012年12月24日

    PROJECTS-DIARY|平行四辺形の鮨店

    左官工事 -鮨M計画-

    msushi_sakan1

    左官職人さんによる左官工事が始まりました。客室内の壁はほぼワラスサ入りの左官塗り壁にしています。仕上げを決定するにあたり、現物サンプルをいくつも作ってもらい、色や質感、ワラスサの量など施主と一緒に詳細に検討しました。

    ワラスサ(藁すさ)とは本来、土壁などのひび割れを防止する為の補強材として入れるものです。ここではその効果にも期待をしていますが、何よりもその質感と自然な雰囲気を求めました。

    ワラスサを入れた左官壁は塗った直後はワラスサはあまり目立ちませんが、徐々に乾いていくと浮き上がってきます。注意しないと入れ過ぎになってしまいます。

    msushi_sakan2

    道路側の外壁も左官仕上げにしています。既存の壁に荒くモルタルを塗って、その上により目の細かいモルタルを何度も塗り重ねて下地の壁を作っていきます。

    外壁は内壁に比べ、骨材を大きいものにするとともにコテの仕上げも荒くすることで、少し大柄な荒い土壁的な表情にする予定です。

    内外で差を付ける事で、より室内の左官壁が繊細で上質な壁に感じられるように考慮しています。

    サンゴデザイン/鈴木竜太

     

  • 2012年12月19日

    PROJECTS-DIARY|薪水書窓庵

    沼須人形芝居 あけぼの座 公演報告 PART2

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    先日、私たちが設計・監理した群馬県沼田市の「薪水書窓庵」にて「沼須人形芝居 あけぼの座」の公演が行われました。今回は人形芝居の裏方と公演後の座員の様子をご報告させて頂きます。

    numasu_kouen07

    沼須人形芝居では遣い手一人で人形一体を操作します。基本的には片手に人形を付けて動かし、もう片方の手で人形に物を持たせたり、着物を動かしたりします。

    遣い手は全身黒装束の黒衣(黒子)に扮して行います。また物語が始まると声を出せないため、話のストーリーと人形の動きを完全に理解していないといけません。長い話で1時間近くあるため、憶えるだけでも大変です。

    生での語りと三味線の演奏に合わせて人形を操り、それぞれの物語を演じます。また、ここぞという場面では迫力ある効果音を追加し臨場感を出していました。

    numasu_kouen08

    沼須人形芝居「あけぼの座」では小・中学生に長い時間かけて人形の扱いを教え、大人と一緒に舞台で演じます。

    舞台裏の楽屋では、大人の座員が丁寧に子供たちの腕に人形を付けてあげていました。人形には何重にも衣装を着せていくため一人では人形を固定できません。人形を付けるだけでも大変な作業です。

    これから舞台で演じるという緊張感と静けさが相まって、何か神秘的な空気が流れています。

    numasu_kouen09

    公演後は、座員や後援者たちで小さな宴が行われました。先ほどまで客席だった土間空間では火鉢で火を起こし、鍋料理を温めています。この季節は少し肌寒いけれど室内外を一体的に使い、笑い声のあふれる賑やかな場になっていました。

    numasu_kouen10

    座員の大人たちと子供たちが輪になって、今日の芝居のことや、これからのことなどを話しています。子供たちにとって、かけがえのない貴重な経験になっていると思います。

    こうやって様々な年代の人たちが一緒になって伝統芸能を実践しながら伝えていくという活動の素晴らしさに心を打たれました。またこの建物に関われた喜びを感じれた、とても嬉しい日になりました。

    これからも「沼須人形芝居あけぼの座」の公演やイベントがあれば、ご報告させて頂きます。また実際に生で見たい方は公演の予定や場所などをお伝えしますので、ご連絡ください。

    サンゴデザイン/鈴木竜太

    [:ja]numasu_kouen06

    先日、私たちが設計・監理した群馬県沼田市の「薪水書窓庵」にて「沼須人形芝居 あけぼの座」の公演が行われました。今回は人形芝居の裏方と公演後の座員の様子をご報告させて頂きます。

     

     

    numasu_kouen07

    沼須人形芝居では遣い手一人で人形一体を操作します。基本的には片手に人形を付けて動かし、もう片方の手で人形に物を持たせたり、着物を動かしたりします。

    遣い手は全身黒装束の黒衣(黒子)に扮して行います。また物語が始まると声を出せないため、話のストーリーと人形の動きを完全に理解していないといけません。長い話で1時間近くあるため、憶えるだけでも大変です。

    生での語りと三味線の演奏に合わせて人形を操り、それぞれの物語を演じます。また、ここぞという場面では迫力ある効果音を追加し臨場感を出していました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    numasu_kouen08

    沼須人形芝居「あけぼの座」では小・中学生に長い時間かけて人形の扱いを教え、大人と一緒に舞台で演じます。

    舞台裏の楽屋では、大人の座員が丁寧に子供たちの腕に人形を付けてあげていました。人形には何重にも衣装を着せていくため一人では人形を固定できません。人形を付けるだけでも大変な作業です。

    これから舞台で演じるという緊張感と静けさが相まって、何か神秘的な空気が流れています。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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    公演後は、座員や後援者たちで小さな宴が行われました。先ほどまで客席だった土間空間では火鉢で火を起こし、鍋料理を温めています。この季節は少し肌寒いけれど室内外を一体的に使い、笑い声のあふれる賑やかな場になっていました。

     

     

    numasu_kouen10

    座員の大人たちと子供たちが輪になって、今日の芝居のことや、これからのことなどを話しています。子供たちにとって、かけがえのない貴重な経験になっていると思います。

    こうやって様々な年代の人たちが一緒になって伝統芸能を実践しながら伝えていくという活動の素晴らしさに心を打たれました。またこの建物に関われた喜びを感じれた、とても嬉しい日になりました。

    これからも「沼須人形芝居あけぼの座」の公演やイベントがあれば、ご報告させて頂きます。また実際に生で見たい方は公演の予定や場所などをお伝えしますので、ご連絡ください。

    サンゴデザイン/鈴木竜太

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